「建築条件付き土地」のメリットとトラブル事例!!

建築条件の土地

建築条件付」とは、家を建てる業者(ハウスメーカーや工務店)が限定されている土地を販売することを正式には「建築条件付建売」といいます。「建築条件付き」はトラブルの原因となるケースが多くなっています。ですからその内容をよく理解しておきましよう。

 

 

「建築条件付」とは?

建築条件付建売(正しくは「建築条件付上地取引」)は、土地取引に建築施工者を限定させる条件をつけた土地の取引形態です。契約は、土地売買契約と工事請負契約のふたつを別々に締結することになります。このように売主、または代理人が施工することを条件に土地を売買するのは、公正取引委員会告示第卜五号(下記参照)に該当します。独占禁止法第19条「事業者は不公正な取引方法を、用いてはならない」に、実は違反する恐れがあるのです。しかし、以下の3つの要件を満たしていれば、例外として違反にはなりません。

 

1.土地売買契約後3ヵ月以内に、建物の建築請負契約が成立することを停止条件として、土地売買契約を締結すること(解除条件は不可)。

 

2.建物の建築を請け負うことができる者は、土地の売主(売主の出資子会社を含む)、またはその代理人に限られること。

 

3.建築条件が成立しなかったときは、預り金、申込証拠金、その他名目のいかんを問わず、受領した金銭をすべて速やかに返還すること。

 

建築条件付にまつわるトラブル

建築条件の土地のトラブル

建築条件付上地取引に関わる相談やトラブルは多く、安易に「自由設計」「フリープラン」「オーダーメイド」の甘い誘い文句に乗らないよう、注意が必要です。まず、建築条件付で起こり得る問題点・デメリットをご紹介しましょう。

 

大手のハウスメーカーが、良好な土地を買い占めてしまう!!

建売住宅では売れ残ったときのリスクが非常に大きいのです。建築条件付の場合ではそのリスクが大幅に軽減されるため、自社の住宅を建設させるための土地購入が拡大する恐れがあります。実際に、都市部の良好な土地の多くには、建築条件付が設定されています。これは非常に大きな問題となっています。

 

3ヵ月という期間が短すぎる!!

土地売買契約後3ヵ月以内の工事請負契約は、家族が住む家を計画・設計を深く練り込むには充分な期間とはいえないでしょう。「自由設計」や「フリープラン」をこの期間に実現するのは、実際には不可能なケースが多いのです。その結果、広告スローガンに終わってしまう恐れが十分にあります。

 

実態は建売住宅と同様!!

建売住宅のように、確認申請を通した建物を土地と共に売買契約するのではなく、あくまでも土地売買契約と建築請負契約は別々にしなければなりません。したがって、実態としては建売住宅の建築前の取引に等しいのです。

 

 

 

ここからは、メリットを2つ紹介します。。

●住宅金融公庫が、土地と建物セットで申請できる。

 

●建築会社を探す必要がない

しかし、悪い施工会社の場合には、選択肢としてはそこを選ぶか、あるいは土地と共にあきらめるかの二者択一となってしまいます。建築条件付は、そのあたりをよくよく理解・把握していなければ、非常に不利な取引となりかねません。このような取引形態は大きな問題があると言わざるを得ません。

 

 

公正取引委員会告示第十五号

・抱き合わせ販売等

手方に対し、不当に、商品又は役務の供給に併せて他の商品又は役務を、自己又は自己の指定する事業者から購入させ、その他自己又は自己の指定する事業者と取引するように強制すること。

 

・優越的地位の濫用

自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、正常な商慣例に照らして不当に、次の各号のいずれかに掲げる行為をすること。

 

1.継続して取引する相手方に対し、当該取引に係る商品又は役務以外の商品又は役務を購入させること。

 

2.継続して取引する相手方に対し、自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させること。

 

3.相手方に不利益となるように取引条件を設定し、又は変更すること。

 

4.前三号に該当する行為のほか、取引の条件又は実施について相手方に不利益を与えること。

 

5.取引の相手方である会社に対し、当該会社の役員(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律〈昭和二十二年法律第五十四号〉第二条第三項の役員をいう。以下同じ)の選任についてあらかじめ自己の指示に従わせ、又は自己の承認を受けさせること。

 

 

建築条件付には自由設計は絶対にない!!

建築条件付の場合、一般的なオーダーメイドの注文建築のように、まったくのゼロから設計することはほぼできません。簡易的に設計されたプランのなかから選ぶか、規定されたありきたりのプランの一部や特定の素材のなかから選択することができるという程度のものなのです。しかも基本金額が設定されており、規定プランからの変更や、基本素材からの変更があるとオプション扱いとなり、大幅に費用がアップしていくのが一般的です。しかも、確認通知がおりている物件での自由設計・フリープランなどあり得ません。「申請と面積や容積が同じ範囲なら変更可能」なんてことも絶対にないのです。確認申請通りの施工がされてなければ、合法的な建築であれ、申請し直さなければ違法建築になるのです。

 

 

 

 

土地と建物の同時契約は違法

売り手と買い手の、対等で公正な土地取引や売買を考えれば、本来、土地の売り主、またはその代理人が住宅を建築することを条件に土地を販売することは、「優越的地位の濫用」という理由で、独占禁止法に違反するおそれがあるとも言われています。簡潔にいえば、「土地を売ってあげるから、家は私に建てさせろ」という強硬的な販売方法が、売り手側の優越的な地位を濫用した行為であるということで、不適切な販売行為であるという意見も多いのです。そのため、この「建築条件付き宅地販売」では、土地の売買契約を先に行い、その後3ヶ月以内に住宅の間取りや価格などの話を進め、それでも価格面などで最終的に交渉成立が行われなかった場合には、それまでの土地の売買契約を白紙に戻し、なおかつ土地の手付け金などを無条件で返還することを条件としたものです。ですから、「建築条件付き宅地販売」は、本来、買い手の保護を目的とした制度でもあるのです。

 

しかし「建築条件付き宅地」の販売は、現実的には、土地の売買契約と同時に建物の請負契約をするケースが非常に多く、土地の売買契約後3ヶ月以内に間取りや工事費を打ち合わせし、その内容が合意に達した段階で初めて建物の工事請負契約をするという基本的なルールが守られていないのが実状です。往々にして、「弊社の決まりです」等々の方便で土地の契約時に簡単な間取りと工事予算を提示し、買い手の無知につけ込んで、「建築条件付き宅地販売」の基本ルールを無視した、「土地と建物の同時契約」を迫っているケースが非常に数多く存在しているのです。「建築条件付き宅地販売」で土地を購入する場合は、焦って契約をする前に、そういった基本的なルールが守られているかどうかを確認し、良心的な業者と契約をするように心がけてください。

 

 

「建築条件付き」の法的要件

①3ヶ月の猶予

土地の売買契約後、3ヶ月以内に建物の建築請負契約が成立する事を停止条件として、土地売買契約を締結すること。また、契約解除条件付きは不可。

②  

業者の特定建物の建築を請け負う事が出来るものは、土地の売り主(売り主の100%出資の子会社を含む)、またはその代理人に限られる。

③   

全額返還建築請負契約が成立しなかったときは、預り金、申込証拠金その他名目のいかんを問わず、それまでに受領した金銭はすべて返却すること。

 

 

「建築条件付き」の悪徳広告を見抜け!!

どの業界にも様々な業界用語、または隠語といわれるものが存在するものです。建築条件付き宅地の違法な販売形態を、あらかじめ承知の上で行うことを、業界用語で「青田売り」や「売り建て」と呼んでいます。建築条件付き宅地の場合は、上記したように①土地の売買契約後、建物の建築請け負い契約まで3ヵ月間の猶予を設ける。②売り主もしくはその代理人が建築を請け負う。③条件が合わなかった場合には土地の契約自体を白紙撤回し、申し込み金などを全額返済する。という3つの条件を満たした上で、土地の販売をする特例として認められていますが、中にはそういった決まりを一切無視した悪質な「青田売り」や、「売り建て」を行う不動産業者も少なくないのが現実です。

 

販売側からすれば、「土地の販売をした後、3ヶ月もプランや見積もりをしたあげくに折り合いかつかす、結果的に土地の売買契約まで白紙に戻されては、たまったものではない。商売にならない!!」ということなのでしょう。そこで土地と建物を先に売ってから建てる「売り建て」や、本来は建築確認が通ってからでなければ広告も販売も出来ない「土地と建物のセット販売」において、先に顧客を確保してから建築確認申請する「青田売り」という方法が平然とまかり通っているのです。

 

 

「建築条件付き」は違法建築の可能性アリ

欠陥は違法

 

最近増えてきている建売住宅の販売形態に、「建築条件付き」というものがあります。これは、売主が建物を建てることを条件とする代わりに、土地の売買契約後3ヵ月以内に建物の工事請負契約が成立しなかった場合は、土地の売買契約も白紙に撤回し、手付け金も全額戻ってくるというものです。

 

不動産会社が「建築条件付き」のプランをすすめてきたら要注意です。業者は「建築条件付きの物件は、これから建物を建てるわけですから、設計にお客様のご希望を反映させることができます」とか「注文住宅のように自由設計、フリープランが可能です」といったセールストークで契約させようとします。ところが実態は、ふつうの建売とほとんど変わりません。あらかじめいくつかのプランが決まっているのが普通で、施主は隕られた選択肢のなかから選ぶことしかできません。もし、規定のプランを変更しようとすると、オプション扱いになり、追加料金がどんどん加算されてしまうのです。

 

不動産取引業法では、確認申請が下りていない物件は販売も広告もしてはいけないことになっています。いわゆる「建築確認番号」や「開発許可番号」といった公的な許可番号を受け取ってはじめて販売活動ができるのです。ですから「建築条件付き」の土地を販売するためには、先に確認申請を取っておかなければならないわけですが、確認申請を通った設計図は変更できないことになっています。にもかかわらず、許可の下りた設計図を広げて「自由にプランを変更できます」ということは、実際には図面と違う家を建ててしまう業者もあるということです。

 

しかし、確認申請どおりの施工でなかったら、構造的にどんなに合法的な建築であっても、役所からは認めてもらえず「検査済証」は下りません。もう一度申請し直さなければ、違法建築になってしまうのです。そこで検査済証の取得を要求した場合、「別途費用がかかります」などという業者もいますが、そのときは「違反を前提とした契約は無効になりますよ」と言っていっさい追加金額の支払いに合意してはいけません。こうやって見てきますと「建築条件付き」というのは、最初から違反建築を前提とした契約であると考えてもいいくらいに思います。

 

「建築条件付き」の問題点

条件の問題点

 

「建築条件付き」というスタイルは、不動産業が儲からない時代の苦肉の策として登場したものです。本来、建売住宅販売というのは、建物が完成するまではすべての費用を売主が負担するのが原則です。それが「建築条件付き」という裏ワザを使って、建物がまだ遑っていないうちに施主をつけることで、売主の業者はリスク回避ができます。完成したら必ず売れるのですから。あくまでも自社のリスクヘッジのためにやることですから、こういう手法をとるのは、むしろ力のない業者と考えてよいでしょう。資金力のある大手の不動産会社ではあまり採用されていない形態です。

 

もし希望する物件が「建築条件付き」だとわかったら、黄色信号が点滅したと思ってください。仮に数歩譲って「建築条件付き」であることはよしとしても、業者の選択は大丈夫かという問題が残ります。こうした契約形態によって建てられた家に見られるのは、営業力のない工務店などが不動産会社や建設会社などにバックマージンを払って仕事を回してもらっている例です。安い金額で請け負っているため、いい加減な施工、いい加減な管理になりがちで、施主がプランや仕様の変更を求めても、対応できない業者が非常に多いのです。結果、欠陥住宅をつくる可能性は高くなるというわけで、やはり「建築条件付き」の物件を選ぶのはリスクが大きすぎるので、あまりおすすめしません。

 

 

「建築条件付き」の売買契約はとくに注意

建売住宅の売買契約というのは、「見たとおりの姿を買う」という契約です。すでに出来上がった建物があるわけですから、それを見て判断して買ってくださいよ、というわけです。見ただけで判断するというのは、とてもむずかしいことです。既製服だったら試着してみて似合うかどうか、着心地はいいかなどを確認できるでしょう。でも住宅の場合はそうはいきません。どんなに見た目が気に入っても、実際に住んでみなければ普通の人が欠陥や不具合を見分けることなどできないからです。

 

たとえ建売で「現物を見て買ってよ」と言われても、買い手にはその家がどんなプロセスで建ったのかを知る権利があります。最低でも、その住宅の確認申請図書や設計図、仕様書のほか施工写真、地盤調査報告書など、その建物の履歴がわかるものを見せてもらいましょう。とくに最近は、「まだ建物はありませんが建売住宅です」という紛らわしい住宅が増えているので注意しなければなりません。それが第3章の不動産会社のところで説明した、「建築条件付き」という契約形態です。普通ならば「建物ができていないのだから請負契約では?」と考えるところでしょう。ところが、ここが「建築条件付き」のクセモノなところなのです。実際には土地の売買契約を行う段階で、建物込みの売買契約にされてしまうケースが多いのです。この落とし穴に気づかないまま、判を押してしまう人が、実際かなりいます。

 

仲介の不動産会社にしてみれば、手数料が建物の分まで取れるので土地と建物はセットで考えたい。売主にしても、契約を土地と建物で別々にするより売買契約で一括してすませたほうがラクですから、そうしたいと思っています。業者がどさくさに紛れてこのような契約をもち出してくる下地は、ズバリそこにあるのです。そもそも「建築条件付き」物件には手を出さないのが賢い選択なのですが、ものすごく気に入った物件が「建築条件付き」だった場合は、土地は「売買契約」、建物は必ず「請負契約」にしてもらうように要求してください。そのうえで、信頼できる建築士か第三者機関に工事監理者を依頼して、あなたに代わって工事をチェックしてもらうとよいでしょう。


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