注文住宅の「基礎」と「断熱」の関係性

基礎断熱

 

「布基礎」と「ベタ基礎」どっちが多い?

住宅は建物と基礎によって構成されています。基礎とは建物の荷重を支えるための下部構造で、地盤と建物をつなぐとても大切な土台です。この基礎の品質が住宅の耐久性や耐震性を決め、さらには断熱性能にも大きく寄与します。

 

住宅の基礎は、地盤に応じ大きく分けてて2つのタイプが使い分けられています。地盤が固い場合は「布基礎」といって、断面が逆T字形をしているコンクリートと鉄筋の組み合わせを、外壁の下に並べて設置します。「べ夕基礎」は、建物の床下にコンクリートを流し込み、一面に敷き詰める基礎の施工方法で、建物を面で支えるため耐震性の面では大きな強みを持っています。ですから 現在では、地盤の固さにかかわらず、この「べ夕基礎」が主流になりつつあるのが現状です。住宅金融支援機構の調査でも、平成10年には新築住宅の約7割が布基礎でしたが、平成24年になると約9割がべ夕基礎になっています。

 

 

 

基礎の施工精度は断熱性能を大きく左右する!!

他のページで説明した地盤の改良と同じく、基礎も目につきにくい部分です。ハウスメーカーや住宅会社任せになりがちですが、注意すべき点がいくつかあります。ここでは二つ取り上げます。一つ目は、設置が義務付けられたアンカーボルトという構造用金具です。住宅の建築現場の前を通りかかったとき、基礎のコンクリートから上に向けて金属の棒が突き出しているのを目にしたことがあるのではないでしょうか。もし、今度そのような場面に出くわしたら、棒の並び方を注意して見てください。正確に一列に並んで真上を向いていたら、自分の家を建てるときにその施工会社に任せても安心です。もし、列が乱れていたり棒が斜めに傾いていたりしたら、それは施工精度が低い証なのです。設計上の理論強度を損なってしまいまうのです。もう一つは、地面に近いところにできがちなコンクリートの継ぎ目です。下から段階的につくっていく際にひび割れが入る場合があり、耐久性を下げるばかりか、湿気やシロアリの侵入路になってしまうのです。

 

100の失敗に学ぶ結露完全解決

 

「一軒家は寒い」という常識は布基礎が原因!?

基礎は住宅にとって重要な性能である断熱と省エネに直結的に関わる部分でもあります。基礎の断熱には、「床断熱」「基礎断熱」の二つの方法があります。布基礎が主流だった昔の家は、冬になると足元がとても寒かったものです。畳の部屋はまだしも、フローリングの台所などはひときわ寒くてたまりませんでした。これこそが「一軒家は寒いもの」という「間違った常識」が広まるようになった原因です。その大元をたどれば、床断熱に行きつきます。

 

床断熱は文字通り床下に断熱材を張るわけですが、断熱材の下は外気です。床下を流れる冷気に断熱材が耐えられなくなり、その上の床板もどんどん冷たくなってしまうのです。冷暖房の効率も非常に悪かったのです。現在ではべ夕基礎が主梳になってきましたが、依然として床断熱が一般的です。やはり足元が寒いので、住宅会社は床暖房をすすめます。しかし断熱効果が低いのに床暖房を入れても、コストがかさむばかりなのでお勧めしません。

 

※各ハウスメーカーの家づくり

※注文住宅の坪単価の現実

 

 

基礎断熱がベスト!!【床断熱では寒い】

上記の床断熱対して、床下の空間を完全に塞いでしまうのが基礎断熱です。基礎断熱とは床下に断熱材を施工せず、建物の外周に面した基礎立ち上がりに板状の断熱材を施工し、床下換気口を設けない基礎工法のことです。床下には外気が入り込まず、上記のとおり、基礎立ち上がり面で断熱がされていることで、床板の下の空間も室内とつながる一体の空間となる設計です。床板の上も下も室温と同じになるので、板張りでも床だけが冷えることがないのです。

 

しかも、コンクリートには蓄熱作用が高いという大きなメリットがあります。その分、冷暖房の効果が良くなるわけです。さらには地熱エネルギーの活用にもなります。地下2~3メートルの温度は、年間を通して13~15℃と安定しています。地表だと冬は8℃、夏は16℃~17℃になります。コンクリートを通して、冬は暖気、夏は冷気を採り入れることができるのですから、もはや床暖房はいらないでしょう。床下断熱と基礎断熱で、工事にかかる費用は大幅には変わりません。欧米では、昔から基礎断熱がメインとなっています。日本でも欧米並みに基礎断熱が普及するようになれば、「一軒家は寒い」という「間違った常識」が実が「非常識」であったと気づくはずです。

 

基礎断熱では床下暖房が必須

 住宅専門家の一部では、外断熱工法の大きなメリットは床下の断熱である。一般に床下の断熱は施工が困難で完全な断熱効果は期待できないという意見があります。また、とくに木造住宅では、基礎の外側から建物を断熱するので床下に断熱材を使う必要はなくなるという意見もあるのです。

 

確かに基礎断熱は、施工は楽でにハウスメーカー側にとってはよいのですが、値段の高い発泡プラスチック系の断熱材を使うことになるので、住まい手にはコストアップになります。また、床の衣面温度が低いために、暖かさの満足感が少ないという問題もあります。冬期における基礎断熱の床ド空問の温度は17度前後です。室温が121度前後のときには、床の表面温度は18度前後となります。温度差が3度以上もあり、直接触れたときに冷たく感じるのはもちろんですが、冷輻射も感じられます。

 

この問題は、温度差を1度以下に抑えれば解決できます。筆者が基礎断熱を行う場合は、床下に室内の空気を入れるようにしたり、暖房機を入れて床ド暖房を行うようにしています。少なくとも室温と床表面の温度を同じにするか、1~2度高くすると、床面からの冷輻射が感じられず、住まい手の満足感が得られるのです。

 

一般住宅の基礎の種類

一般住宅で採用される基礎は大きく2つに分かれます。『直接基礎』と『杭基礎』があります。これは基礎の支持方式の違いです。直接基礎には「独立基礎」「布基礎」「ベタ基礎」の3つがあり、杭基礎の杭は「先端支持杭」と「摩擦杭」の2つに分かれます。よく聞く「ベタ基礎」「布基礎」は『直接基礎』となります。

『直接基礎』 「ベタ基礎」 「布基礎」 「独立基礎」
『杭基礎』 「先端支持杭」 「摩耗杭」

※注文住宅の依頼先

 

 

基礎外断熱はどの断熱材がいいのか?

断熱の材質

 

基礎外断熱の弱点は、断熱材のウレタンや発泡スチロールがシロアリの被害を受けやすいことのほか、断熱材の廃棄処分に困ることが挙げられます。しかし、今までは安易にそれらの断熱材が使用されてきました。

 

こうした問題を考えると、断熱材には発泡ガラス、発泡炭酸カルシウム、炭化発泡コルクなどを使用すればよいのですが、坪当たり5~8万円ととても高価であり、特殊な状態を除き、現状ではなかなか使いがたいというのが難点です。グラスールやロックウールなら空隙が連続しており、蟻逆ができるものの、食害は少ないという利点があります。断熱材がたくさん使用される北欧や北米の現状では、允填断熱、外張り断熱に限らず、断熱材はグラスウールやロックウールが多く、基礎の外断熱でも同様に使われています。現状では、北欧や北米の例に倣って、安価で、環境などへの負荷が比較的少ない高密度グラスウールの基礎外断熱とするのが有効でしょう。

 

撥水性がある高密度グラスウール + 遮水・透湿シートといった組合せが有効ですが、排水砂利・暗渠などを総合的に考える必要があります。高密度グラスウール + 遮水・逶湿シートの材工価格は、押出し発泡ポリスチレン程度です。

 

シロアリは基礎断熱の大敵

基礎断熱の事例が増えるにつれ、断熱材がシロアリに食われる事例が報告されるようになりました。寒冷地の被害は少ないですが、暖かいところではシロアリ対策を考える必要があります、シロアリの被害は断熱材の種類によっても変わり、無機系の断熱材が有利なようです。

 

シロアリと地下水には要注意

基礎断熱の泣きどころはシロアリです。石油系発泡板状断熱材がシロアリの食害を受ける恐れがあるのです。特に、風除室内や犬走りなどのコンクリートに挟まれた、繁殖に適した温度・湿度になっている場所で被害を受けることが多くなっています。

 

防蟻剤の使用を避けたい場合は、全面的に基礎内断熱にするか、食害の恐れのあるところのみ、部分的に基礎内断熱にするなどの対策が考えられます。防蟻処理を行うなら、薬剤を散布するのではなく、防蟻シートを使うのがベストでしょう。これは、薬剤がプラスチックシートのなかに練り込まれたもので、薬剤の成分が拡散することもなく、効力も長く続きます。また、これから普及が見込まれる高密度32㎏のグラスウールや、高価ですが発泡炭化カルシウム、発泡ガラスなどを使った外断熱にするのも、食害の恐れが少ないのでお勧めです。基礎断熱では、断熱材の上にモルタルを塗って仕上げますが、この仕上げ面の割れも問題になります。これについては、ひび割れ防止のために専用のモルタルを使用するとよいでしょう。

 

そのほか、地下水位が高い場合は、地下水に熱が奪われるという心配があります。そのため、防湿コックリートド全面に断熱材を施にすることが必要となります。暗渠、犬走りなどを設け、防湿コンクリート面を地盤面レベルより高くするのも1つの手です。凍結深度が深い場合は、スカート断熱にすることも検討したいところです。逆に水位が低い場合は、外周のみに施工し、地而に蓄熱屑の役割をもたせるようにします。

 

 

基礎工事のポイント

たとえば、クルマは専門家がっくりますが、運転するのはクルマづくりにシロートのあなた。そのあなたが、専門家がつくるからといって、タイヤの交換もできないとしたらどうなるでしょう? おちおち遠くヘドライブに出かけることもできません。住宅も同じです。建築士に設計と監理を任せたとしても、住宅に関する最低の知識を身につけておくことが、住宅を運転=使う上で欠かせません。その欠かせない住宅の知識の中でも、飛び抜けて必要度の高いのが「基礎についての知識」。どんなに素晴らしいデザインの住宅でも、基礎づくりが間違っていれば、それは単なる「資材のかたまり」にすぎません。基礎とは、上家をしっかりと地球に据えつける「礎(いしずえ)」のことなので「基礎」というのです。住宅の基礎を簡単に整理すると図のようになります。次の要領でチェックしましょう。

①あなたの敷地の「地耐力」はどの程度ですか? 地耐力とは地而がもつ重量を支えられる力のことです。これは地質調査をしないとわかりませんから、必ず「地耐力調査」をしてもらいます。その結果「地耐力が5トンを越える比較的いい地質」の場合は、鉄筋の入っ布基礎(ぬのきそ)で大丈夫。しかし、地耐力が5トンを下回る場合は、布基礎では心配なので最低でもべ夕基礎にしてもらいます。もし3~5トンの間なら、鉄筋の入った布基礎で、フーチングを少し広め(60cm)にしてもらいます。

 

基礎の形・大きさが決まったら、鉄筋を上手に配筋(並べる)することが大事。鉄筋が被っているコンクリートの厚みは最低4㎝以上必要です。

 

コンクリートエ事が上手に行われること。十分に型枠を叩いて密度の高いコンクリートにすることが肝心です。

 

コンクリートの打ち込みが終わったら、ムシロか毛布のようなものをかけて、十分に湿気を与えて養生しなければなりません。

 

摂氏2度以上で、打ち込みから5日間は振動などを与えないで力が抜けるのを持ちます。もちろん設計図どおりに割栗石が入っていることも確かめましょう。

※ハウスメーカーの闇

 

戸建ては基礎工事も地盤で方法が変わる 

戸建てを欠陥住宅にしないためには、地盤や基礎からしっかりと安定させることが重要です。基礎とは家と地盤をつないでいる部分のことです。

 

基礎工事には布基礎・ベタ基礎の2種類あり地盤の強度によって選択します。地盤が弱いと杭工事や地質改良工事などの補強が必要なこともあり、通常、買い主の負担になるので、土地購入前に改良工事の可能性を建築会社に確認しましょう。

 

 

基礎に亀裂が入っていないか?

基礎のポイント

 

一戸建て住宅の基礎は「布基礎」といって、外周部に連続したコンクリートがまわっているので亀裂があればすぐにわかります。まずぐるっと1周してチェックしましょう。で、もし亀裂が入っていたらどうするか?

 

基礎の亀裂の原因として、最も怖いのは不等沈ドによるもの。これはその地盤がもともと軟弱だったり、盛土と切土にわたっていて地盤の固さに違いがあるときなどに起こります。軟らかいところが沈下して地盤而が不揃いになってしまうのです。そして、その上に乗っている基礎が割れていきます。地盤にふさわしい基礎をつくっていないときにこういう事態を招きます。またもう1つの怖い原因に、基礎のコンクリートがきちんと固まっていないのに型枠を外してしまったり、コンクリートそのものの質が悪いといったことがあります。地盤が原因なのか、施工やコンクリートそのものが原囚なのかはシロートでは判断ができません。亀裂が目立つときは、第三者の専門家に判断してもらうのがベストです。業者は「コンクリートの収縮が原因です」などと言って簡単な補修で済ませようとすることが少なくありません。ところが実際は地盤に問題があったりすると大変なことになるのです。

 

基礎工事はやり直しがきかない

基礎工事は建築工事の中でもっとも難しく大切な工事なのです。それは、やり直しがきかないからです。だから、真剣に正確に丁寧にやってもらいたいと思います。そのために、お施主さんとしても基礎図面は現場に行ったら離したくないものです。ただ、お施主さんには仕事がありますから、いちいち監視するわけにはいきません。現場監督に頼らざるを得なくなります。この段階でお施主さんが写真を撮っておくことは大事です。奥さんも仕事をしている場合などは、現場監督に頼みます。基礎が完了したら、お施主さんはその検査報告書を提出させると劾果的です。そして、その検査の説明を現場で受けるのです。これは効果があります。工事はグンとレベルアップします。
そして、素人であるお施主さんですが、少しは知っているなと思わせることも必要です。やはり、相手が知っているとなると気をつけるものです。では、簡単に誰でもわかるチェック方法を説明します。たとえば、基礎工事が完了したとします。そのとき、基礎から何十本というアンカーボルトが出ています。それを、身体をかがめ端からずうっと見て、一直線に並んでいるかチェックします。ついでに、基礎そのものもまっすぐか見ます。もしアンカーボルトのどれかが直線上から極端にズレだところにあれば、そのアンカーボルトは土台からはずれるかもしれません。そうなると土台の意味をなしません。

 

基礎の形状は地質調査の結果にかなっているか

どんな地質の上地でも住まいは建ちます。違いは、工事費が「高いか、妥当か、安いか」です。基礎工事の項でも触れましたが、その建物にとって安全な基礎とは地質にかなった基礎にほかなりません。

 

ここで紹介する物件は『建築条件付き土地』で、上地は売買契約で贈入、上家は請負契約を結んでいます。ところが、人居して1年も経たないうちに建物の西北隅の部分が沈下しはじめたのです。沈下は次第に進み、建物にも大きな影響が現れました。しかし、バブルが崩壊してからというもの、業者に誠意のある態度が見られなくなって……。堪忍袋の緒が切れた発注者は工事業者を訴え、そして数年、いくつかの応酬の末に私に鑑定の依頼が舞い込んだというわけです。下調査の結果、建築確認通知書に書かれている設計者は2級建築士、工事監理も同一人でしたが、地質調査の形跡がありません。そして、建物・敷地の沈ドの原囚は、敷地地盤にふさわしくない基礎が施工されていることと判明しました。ところが法廷には一切の設計図書の提出がなく、これが「建築確認の特例(有)」の物件だとそこでわかったのです。こちらの地質調査で、その敷地の地質は産業廃棄物で埋め立てたもので、東側半分には地耐力があるものの、北側半分の地耐力は3トンを下回る軟弱地盤ということがわかりました。必要な補修費を算定すると、地質にふさわしい基礎(杭基礎)につくり替える費用および上家の補修費用を加算して、おおむね請負契約の代金に近い数値になってしまいました。

 

さて、ここで問題にしたいのは、地質調査をして資料を設計者に提供するのは発注者なのか、発注者が黙っていても調査の上で地質にふさわしい基礎を設計する義務が建築士にあるのかということです。結論を言えば、。地質調査は建築士の注意義務の範囲内にある”と判定できます。しかし、代金をすべて支払い、年数を経てからこんな事態になるケースもあるのです。「業者が倒産していたら」などと思うと驚愕するではありませんか。地質調査を行い、地質にかなった基礎がつくられているかどうかは極めて重要なことなので、念には念を入れてチェックしましょう。


 このエントリーをはてなブックマークに追加