有名ハウスメーカーの工法・構造

 

 

ハウスメーカーの工法と構造

工法や構造もハウスメーカーの差別化要因の1つです。注文住宅を工法別に分けると、木造軸組住宅、プレハブ住宅、ツーバイフォー工法住宅などの種類があり、供給サイドの差別化要因となっています。商品は企業の顔、広告の顔としての側面をもち、企業はそれがハードであれ、ソフトであれ、その住宅を販売することで成り立っています。

 

注文住宅という商品を扱う企業は、販売力というソフトも重要ですが、自動車がそうであるように、ハードとしての商品が何よりも競争力を生む源泉となっています。オイルショック以前は、住宅の量的不足に応じた大量供給の時代であり、設計や部材を規格化し低価格化された「規格型住宅」が、目玉商品として開発されてきました。しかし、オイルショックの需要低迷とその後に訪れる「質の時代」には、こうした住宅では成り立っていかないのです。そこで「企画住宅」が生れたのです。大手ハウスメーカーが開発コンセプトを明確化し、ターゲットニーズを絞り込んで商品化する、企画提案先行型の商品が登場したのです。プレハブ住宅が普及期を迎え、ツーバイフォーエ法住宅がオープン化される時期においては、住宅の工法、生産システムが差別化要囚=セールスポイントとなりました。たとえば、セキスイハイムが唱えた「工場生産比率が高いユニットエ法住宅だからコストパフォーマンスが高い」、三井ホームの「ツーバイフォーNo.1」などがその例です。

 

ここで、工法に関して若干考察すると、本来の意味での「工法」とは、供給サイドの論理に基づいて、それぞれの企業によって選択される側面をもちます。生産システムの合理化やコストダウンのためにはどのような素材と工法がベストなのか。初期のプレハブメーカーが、当時の木材不足を背景に、工場生産材としての鉄骨やプラスチックなどに着目、それを利用可能とする工法の研究にチャレンジしたことが、よく知られています。逆に、需要サイドから考えると、工法は住宅選びの目的ではなく、好みや予算に合ったから、結果としてその工法を選んだ、ということになります。もちろん、各工法がもつ商品特性は、今後もセールスポイントの一部であり続けることには変わりありません。住宅の工法には様々な種類があり、業者によって得意とする工法が違ってきます。おもな工法と採用している業者のタイプを見てみましょう。

 

 

工務店は伝統的な木造工法

一戸建ての工法で最も多く用いられるのが「木造軸組工法」で、日本の伝統的な木造建築方法です。熟練の職人技が必要だったこともあり、昔ながらの中小規模の工務店のほとんどがこの工法を得意としています。もちろん、ハウスメーカーでも広く採用されています。また、最近はコンピュータの導入により木材を正確にカットできるので、「大ベテラン」のような職人がいなくても一定以上の水準の家づくりが可能になってきました。

 

 

ハウスメーカーの得意技は?

おもにハウスメーカーが採用している工法が「2×4(ツーバイフォー)工法」です。壁や床、天井などをそれぞれパネルとして先につくり、それを組み合わせて建物をつくっていきます。パネルを組むのに複雑な技術は必要なく、また部材もひと通り規格化されているので、「熟練の職人が必須ではない」「効率的に部材を用意できる」という点でハウスメーカーに適した工法なのです。

 

 

工期が短いプレハブエ法

同じくハウスメーカーを中心に用いられ、工期の短さがメリットとなっているのが「プレハブエ法」です。枠ではなくパネル自体を工場で生産し、それを現場で組み立てます。プレハブと聞くど簡易型の小屋といったイメージかもしれませんが、ほかの工法より強度が弱いというわけではなく、一般の住宅に問題なく使われています。

 

 

工法ごとにコストの違いはある?

代表的な木造軸組工法、2×4工法、プレハブエ法はいずれも1坪当たり平均50万円前後。木造軸組工法で広い部屋をつくったり、2×4工法でパネルを大量に使ったりすればその分コストは上がります。

 

 

ハウスメーカーの主な工法

工法名 工法の特徴 業者の特徴
木造軸組み工法 木の柱や梁で骨組みをつくる、日本の伝統的工法。組み合わせ方には一定以上の技術が必要 地域密着型の古くからの工務店が中心だが、大手ハウスメーカーでも採用されている
2×4工法・2×6工法 木製の枠組みに合板などを付けて壁や天井、床のパネルをつくり、それらを組み合わせる 建築資材の大量生産が可能なため、主にハウスメーカーが採用
プレハブ工法 あらかじめ工場部材をく塁ておき、それを 現場に運んで組み合わせる工期が短い 専門の工場が必要なので、基本的に大手ハウスメーカーでしか扱えない

 

 

 

プレハブ工法の種類

木質系プレハブ工法 2×4工法と構造はほぼ同じだが、部材の生産性が高く工期はよりいっそう短くて済む
鉄骨系プレハブ工法 木造軸組工法の素材を木から鉄に替えたような構造。設計の自由が利き、耐久性も高い
コンクリート系プレハブ工法 住宅としての性能は高いが、工場でつくるパネルを使うので設計や増改築の幅は小さい
ユニット系プレハブエ法 パネルでなくユニット単位で工場生産するため、わずか1ヵ月強で工事を終えられる

 

 

 

木造軸組(在来工法)住宅

日本でもっとも広く普及しているのが柱と梁で構成される「木造軸組工法」です。この工法は別名「在来工法」ともいわれ、日本の住宅全体の約80%を占めています。ほかの工法と比べて設計の自由度が高く、増改築も比較的容易にできます。最近では、構造材に集成材を使用するものも普及してきています東洋は木の文化、西洋は石の文化といわれる通り、日本の一戸建て住宅の大半はこの工法。在来工法とも呼ばれる、伝統的な日本家屋の工法です。古くから木に囲まれた生活環境の中で育ってきた日本人にとっては、無垢の木をふんだんに使い、随所に木の温もりを感じることが出来るため、人気が非常に高く、同時に伝統的な工法としても認知されています。

 

しかし、最近では建築現場で木材加工をするような昔ながらの方法は廃れ、「プレカット」と呼ばれる工場であらかじめ加工された木材を使うのが主流となりました。その結果、大工文化の伝承が危機に瀕しているのも事実です。現在では無垢材のフローリングを取り入れ、プレカットエ法、剛性床、外壁通気工法、外断熱などいろいろな工法が組み合わされており、ひとくちに軸組工法といっても、その特徴を明確に示す住宅は少なくないのが実状です。

 

 

木の部材を組み合わせる木造軸組み工法

近年は鉄筋コンクリート造の住宅も増えてきましたが、まだまだ圧倒的に木造住宅が多く、そのなかでも代表的な工法が「木造軸組工法」です。この工法は、柱はもちろんのこと床や壁、天井など建物のあらゆる場所を細長い木材の組み合わせでつくるのが特徴です。先に木の骨組みをつくって、あとから床や壁を張って仕上げていきます。もちろん、「あらゆる場所を木材で」といっても、基礎はコンクリートですし、金属製のボルトも使います。補強のために用いる部材もありますから、きちんと施工されていれば強度への心配は特にありません。

 

 

様々なメリットがある

伝統的な木造軸組工法が今なお支持されているのは、多くのメリットがあるからです。なんといっても木という素材は日本の風土に適した性質を持っていますし、設計に合わせて部材の大きさや組み方をかなり自由に調節できるのも魅力です。こうした機能的な面だけでなく、木の素材感やほのかに漂う香りがもたらす心理的な癒し効果も見逃せません。

 

 

従来の『弱み』は減ってきた

職人の腕によって仕上がりに多少ばらつきがある、シロアリの防虫対策が必要、というのが従来の木造軸組工法の弱みでした。しかし、最近は材木をあらかじめ機械で加工するプレカット工法のおかげで仕上がりのばらつきは少なく、また防虫処理の技術も発達しているので、かなり改善されています。

 

 

木造軸組み工法の現場の流れ

建て方から仕上げまでの一連の流れを、を知ることがとても重要です。木造軸組工法は、柱や梁、土台などを組み合わせた骨組(架構ともいう)が基本となっています。この骨組に壁などを付けていくため、増改築しやすいのがひとつの特徴です。実際の現場ではまず、基礎コンクリートの上に土台を据え付けます。次に柱を立て、梁を渡し、小屋を組んで棟木を載せると住宅の骨組が完成します。この工程を建て方といいます。骨組が完成したら、続いて屋根工事、外部の窓や外壁の下地工事へと進みます。さらには床や壁、天井などの下地部分の工事と進み、同時に電気の配線工事や水道の配管工事、換気の配管工事などが途中に入ります。その後、階段やドアなどの枠をつくる内部造作工事へと続き、これが終わると大工工事はほぼ終了で、仕上げの職人にバトンタッチ。およそ4〜6ヵ月程度で家が完成します。

 

木造軸組工法では、柱と土台・梁で囲まれた四角の中に筋かいという斜めの材を入れて地震などによる揺れを抑える、いわば耐震対策が施されます。同じ四角の中に受け材を設け、構造用合板などを張り付ける方法も。伝統工法はできるだけ釘を使わずに木材を接合する方法の「木組」でつくられます。

 

 

 

基礎・土台

型枠の中にコンクリートを流し込み、土台を固定するアンカーボルトを埋め込む

 

 

土台の上に通し柱などの柱を立て、梁など横向きの部材をクレーンで吊り下ろす

 

 

補強

火打ち梁や筋交いなどで補強。棟上げが済んだら各部のひずみを修正する

 

 

内外装

外装が仕上がり、最後に内装や設備の工事を行う。竣工検査を経て引き渡し

 

 

外壁

屋根の完成後、内部の間仕切りや床などをつくる。外壁の下地はそのあと張る

 

 

屋根

屋根が乗ると家らしいシルエットに。屋根の中央から外に向かって木をかける

 

 

木造軸組み工法のメリット・デメリット

メリット デメリット
木材は、湿気の多い夏に湿気を吸収し、乾燥する冬には湿気を出す。日本の気候によくマッチした素材である 近年の木造軸組工法では金物による補強がなされるが、壁で支える2×4工法に比べると一般的に耐震性は低めである
設計の自由度が高いだけでなく、完成後の間取り変更や増築などリフォームの工事もやりやすい 最近はプレカツト工法の普及でベテランにしかつくれないとはいえないが、最高品質の仕上がりを望むなら熟練者が必要
一般的に、木の香りや質感が精神衛生上プラスにはたらく。鉄やコンクリートは逆にマイナスになることが多い 木材は害虫のすみかとしても適した素材なので、特にシロアリ対策は徹底してやらなければならない

 

 

 

2×4工法・2×6工法

「2×4工法」は1970年代の初め、柱ではなく壁で支えるという画期的な工法が北アメリカから上陸しました。アメリカで研究開発されたこの工法は、合理的な生産性と堅牢さ、オシャレな外観が特徴です。2インチ(約5m)という単位をすべての寸法規格の原点としたこの工法は、いつでもどこでも材料の調達に困らないため、自分で家を建てたり、あるいはリフォームをしたりする北米の生活スタイルにとって欠かせない、まさにアメリカらしい工法といえるでしょう。また、同じ間取りで比較すると、2×4工法で建てられた住宅は、在来軸組工法で建てられた住宅に比べて、1.5~2倍程度の強度や耐久性を有し、優れた耐震性を誇っています。それは阪神大震災でもほとんど被害がなかったことでも明確に裏付けられています。

 

このように、構造面でのメリットが取り上げられることの多い2×4工法ですが、最近では窓やドア、あるいはケーシングといった部材も海外から輸入され、デザインの面でも人気がとても高いようです。2×4工法で建てられた住宅は外観・内装共にまるで海外の住宅そのものといった雰囲気にすることも可能です。しかし、デメリットもあります。それは、雨に弱いことです。といっても住宅が建てられてからの話ではありません。在来工法がたった1日程度で上棟し、2~3日後には屋根の合板も張れて、とりあえず雨から住宅の骨格を防ぐことが出来るのに比べ、2×4工法では床組みから、1階の壁⇒2階の床⇒2階の壁⇒屋根と、順序どおりに進めなければならす、上棟までに約2~3週間程度も必要なのです。つまり、上棟までの雨が2×4工法の最大の大敵となるのです。そのため、この工法を専門にしている施工業者は必ず専用の工場を持ち、床や壁を自社工場である程度までパネル状に組み立ててから、一気に時間をかけずに現場で組み立て、約1週間程度で屋根まで完成させてしまいます。合理的にシステム化したで施工業者が建てるほど、コスト・工期にメリットのでる工法といえるのです。その意味では2×4工法こそ、ハウスメーカーや工務店を慎重に選ぶべきです。

 

 

北米生まれの建築方法

「2×4工法」は1800年代、開拓時代の北アメリカで生まれた建築方法です。簡単かつ安全な住居を手っ取り早くつくる必要があったため、柱ではなく先に「面」をつくって組み合わせるという方法が生み出されました。この2×4という名前は、木枠用木材の断面がおもに2インチ(約4センチ)×4インチ(約9センチ)だったことに由来しています。その木枠に合板を打ち付けて、天井や床、壁のパネルをつくり、そのパネルを組み合わせて建物をつくるのです。木造軸組工法のように柱や梁は使わず、糂自体で建物を支える仕組みになっています。

 

 

耐震性の高さが特長

最大のメリットは、耐震性がとても高いこと。 2×4工法はただパネルを組み合わせるわけではなく、外から力がかかった場合にそれぞれの壁(パネル)に力が分散されるよう設計されています。また、部材と作業の内容がしっかり規格化されているのもメリットの一つです。極端にいえば「誰がつくっても|司じ仕上がり」になり、施エミスは非常に少ないのです。

 

 

設計の自由度は低くなる

反対にデメリットに目を向けてみると、規格化されているということはそれだけ設計やリフォームの自由度が低いことを意味します。気密性が高いのも2×4工法の特徴ですが、囗本の湿度は北米よりはるかに高いので、防湿対策を徹底しておかないと室内での結露が起こりがちです。

 

 

2×4工法・2×6工法の工事の流れ

【基礎・土台】

基礎の上に土台を固定するのは木造軸組工法と同じ。土台の上に横木を渡す

 

 

【床】

渡した横木の間に断熱材を敷いたら、合板を張る。これが1階部分の床となる

 

 

 

【1階】

壁用の枠を組んで合板を張り、できた壁をーつずつ立てて最後に上辺をつなげる

 

 

【内外装】

外装と内装の工事が終われば完成。一般的に工期は木造軸組工法より短い

 

 

【屋根】

1階同様に壁を立てていき、すべての壁がつながったら屋根作りに取りかかる

 

 

【2階】

1階の基本構造が完成したら、続いて2階の作業。1階と同じやり方でつくる

 

2×4・2×6工法のメリット&デメリット

メリット デメリット
部材の加工や現場での建設作業が規格化されているので、仕上がったときの品質のばらつきが少ない 壁で支える構造なので、強度を下げる原因となる広い部屋や大きなドア、大きな窓を取ることができない
地震や暴風など建物が外から受ける衝撃をそれぞれのパネルに分散するので、耐震性は非常に高くなる 完成したあとに間取りを変更したり、あるいは増築したりする場合、手を加えることのできる選択肢が少ない
パネルを組むとはいえ木造建築の一種なので、暖かみのある質感など木材の性質的なメリットが生かされる 木造軸組工法に比べて気密性が高く、日本のような湿度の高い気候では結露を起こりにくくするための対策が必要になる

 

 

 

プレハブ工法

プレハブ住宅は、もともとはヨーロッパーアメリカ生まれの生産システムです。プレハブ住宅とは、英語のプレファブリケーテッドーハウスを日本語化したものです。その意味は、プレH前もって、ファブリケーテッドーエ場で生産されたもの、ということになります。つまり、主要構造部材を工場で生産し、それを建築現場で組み立てる生産システムのことです。主要構造部材の種類により、木質系、鉄骨系、コンクリート系の3つに大別できます。

 

 

木質系プレハブ住宅

木材のパネルや勍組(柱や梁)を主要部材としたプレハブ住宅で、パネルエ法と勍組工法とがあります。パネルエ法とは、工場で生産した壁・床・屋根パネルを現場で組み立てる木質パネル接着工法に代表される生産方式で、パネル自体が構造体になっています。パネルとパネルの接着は高分子接着剤やボルトなどの金物で行ない、強度を保っています。

 

 

鉄骨系プレハブ住宅

構造体に軽量鉄骨を用いているプレハブ住宅のことで、外壁・床などにはボード、パネル、ALC(軽量コンクリート)板を使用しています。工法としては、軸組工法とパネルエ法、それを組み合わせたものがあります。軸組工法は鉄骨により柱、梁を組み、これに壁パネルをはめ込んでいくもの、パネルエ法は鉄骨で枠組みした壁パネルを使用するものです。このほか、鉄骨フレームによりボックス型の居住空問(ユニット)を工場ラインで生産し、現場で組み立てていくユニットエ法があります。内装や配線・配管までを工場でビルトインするため、工場生産比率が約80%にも達し、現場施工の短期化が可能なシステムです。

 

軽量鉄骨造

総称して「プレハブ工法」とも呼ばれる「軽量鉄骨造」は、柱、梁などの構造躯体が木材などに比べて最低でも4~7倍以上の強度を持ち、さらにねばり強い特性を持っている鋼材を使用するのが大きな特徴です。この工法は、素材こそ異なりますが、基本的には木造軸組工法の筋交いと同じ「ブレース工法」がベースとなっており、鋼材のもつ特性から、一ヵ所の耐力壁でも木材やツーバイフォー工法の1.25~1.5倍程度の強さを持っています。さらに工業化された製品ゆえ、品質も安定して供給することが可能です。阪神大震災でも倒壊例がないように、木造住宅と比べて著しい強度の住宅が安定して供給されるのが、軽量鉄骨造の大きな特徴といえるでしょう。

 

しかし難点もあります。すべてが規格化された工業製品であるため、反面自由なサイズでは設計できず、300mmや250mmといった限定されたサイズが基準となってしまいます。建物の高さも工業製品の「大量生産」というメリットを生かすために、自由な高さに設定することが難しくなっています。たとえば天井高なども、ある程度規格されたサイズの中から選ぶことになります。また、鉄骨造の場合は、空気に触れているだけで錆びていくという、まさに鋼材の宿命ともいえる「錆対策」がとても重要となります。通常はすべての部材に電気メッキや、2重、3重の錆止め塗装を行うなど防錆対策が必須とされ、各社各様の対策を講じています。ちなみに鉄骨造の住宅は、その構造上どうしてが揺れが大きく、外装材にも制限が生じます。通常は「揺れる」ことを前提に設計された、サイディングやALCなど、パネル化されてシーリング防水する夕イプに限定されてしまい、湿式工法の「塗り壁」などはその構造特性上選択することが出来ません。

 

 

コンクリート系プレハブ住宅

鉄筋コンクリート製のPC(プレキャストーコンクリート)板を工場生産し、現場でクレーンを使って組み立てる方式のもの。一戸建て住宅ばかりでなく中高層住宅にも導入されています。コンクリート造のため強度の大きさ・耐用年数の長さでメリットがありますが、コストはやや割高です。

 

 

プレハブ住宅なら大丈夫なのか?

欠陥住宅の原因は手抜きやミス、だとしたら「工場でつくるプレハブ住宅なら大丈夫なんじやない?」というのは実は大変な思い込みなのです。プレハブ住宅だってやっぱり大が建てるのです。手抜きのおそれもミスの可能性も大いにあります。住宅には完全な工業製品なんてありません。ただ、一部のプレハブ住宅が、クレーンで積み木のように躯体を組み立てていくので誤解が生じているのでしょう。

 

プレハブ住宅でも工法は様々

プレハブ住宅は各社同じ工法でつくっているわけではなく、それぞれ独自の設計ルールや施工方法を用いています。どの会社も同じようなつくり方をする木造軸組工法やツーバイフォーエ法とは、ここが違います。プレハブ住宅の構造体の素材は鉄骨の柱や梁の場合もありますし、木製パネルあり、コンクリートパネルあり、あるいは鉄骨と木製パネルの混合体ありとさまざまです。こうした構造体の材料を、プレハブ住宅のハウスメーカーは自社工場で生産します。プレハブ住宅が工業化住宅であるというのは、主にここのところを指していっているのです。

 

ですから、構造体の材料の品質については、工場で管理されている分だけ、一定の信頼がおけるのは確かです。しかし、工場で生産された部材を現場に持ってきて組み立てるのはやはり人です。職人の質や現場監理の質がここで問題になってきます。しかもすべての部材を工場で生産するわけではありません。基礎はやはり他の工法と同じように、現場でコックリートを打ってつくるのです。内外装の下地や仕上げといった作業も同じです。逆に木造軸組などでも構造体の部材をコンピュータで自動化して工場生産しているところも増えていて、双方のやり方が近づきつつあります。こうした理由から、プレハブ住宅だけを他の工法と区別して考えるのは適当ではありません。

 

ただ、工業化の比率が高くなるほど人の手が入る部分が減るわけで、その点ではいまの職人不足、技術レベルの低下といったことに対応していると考えてよいでしょう。かといって、組み立てを技術の低い素人レベルの職大にまかせるのは大きな問題。しっかり現場を監理してもらわなければならないのは、どの工法も同じことです。

 

 

工期短縮をすすめるハウスメーカーがダメな3つの理由

ハウスメーカーによっては工期をわざと短くするところもあります。お施主さんにすれば、早く住むことができて助かると思うでしょうが、これはたいてい会社の資金繰りの都合によるのです。どうでもいいから早く建てて、早く代金を回収するのが目的なのです。品質などは二の次です。もし、ハウスメーカーの人から「通常より早く完工します」と言われたら、その会社の資金繰りが悪いと判断していいと思います。逆に長すぎるというのも問題です。これは職人不足が主な原因なのですが、ツー・バイーフォーや木質のプレハブなどは乾燥材を使っていますので、なるべく濡らしたくありません。長い工期だと雨に濡れる危険性は高くなります。

 

またお施主さんのほうで、どんな大工さんでもいいから早くしてくれというのも気がかりです。冷たい言い方ですが、ここは腕のいい大工さんがやってくるまで待つはかないのです。では3つ対策方法をあげてみます。

 

1つ目は、住宅メーカーが提示した工期より少し長くかかると、あらかじめ思っていただくことです。たとえば、2カ月かかるのを3ヵ月。3ヵ月かかるのを4ヵ月と思っておいてください。そうすると、それほど精神的に苦にならなくなります。随分無責任な言い方かもしれません。しかし、建築はできるまでに何か起こるかわからないものです。これは業界にいた私の結論といってもいいものです。もちろん、通常の工期はあります。ただし、ハウスメーカーによってさまざまですから、住宅雑誌などで調べておくことをおすすめします。

 

2つ目は、大工さんが抜けてもいいように雨対策をやっておくことです。それには上棟が終わったら、すぐ外壁工事が入れるように現場監督に段取りしてもらうことです。外さえ固めておけば、あとは家の中は何もやってなくても、ひとまず安心です。大工さんが、ちょっとほかの仲間の手伝いに一週間現場を留守にすると言っても、それほど心配はないと思います。どうぞ行ってくださいと言ってもよいかと思います。

 

3つ目。1つ目で工期を少し長めに考えてほしいと書きました。だが、問題になるのは公庫から資金を借りた場合の金利負担です。住宅金融公庫から住宅資金を借りた場合、1回で全部お金が振り込まれる方法と2回に分けてお金が振り込まれる方法があります。1回で全部の方法は建てたあとになり、2回に分ける方法は上棟時に60%、そして建てたあとで残りの40%になります。けれどハウスメーカーは代金をなるべく早くもらいたいため、上棟時に振り込まれる2回払いを望みます。

 

つまり、800万円を借りたとして、上棟時に60%の480万円が実行されます。そして住宅が完成したあとに残金の320万円が振り込まれることになります。そして、そのはじめの480万円は住宅が完成し、公庫から最終のお金が出るまで、金利がつくことになるのです。だから、上棟時から完成まで長くなれば、それだけお施主さんの負担が大きくなります。

 

 

その他の工法

これまで代表的な工法をみてきましたが、そのほかにも住宅建築に用いられる工法がいくつかあります。おもなものをピックアップしてみました。

 

 

鉄の強度を生かした工法

よく「打ちっ放し」と呼ばれるモダンなデザインの家を見かけますが、あれは「鉄筋コンクリート造」です。中に鉄筋が組まれていて、その周りをコンクリートで固めます。耐久性の高さが魅力ですが、木造軸組工法や2×4工法に比べて、鉄筋コンクリート造の建築費用は5割ほど高くなります。もう一つ、鉄を使う工法として有名なのが「鉄骨造」で、木造軸組工法の木材を鉄に置き換えたような仕組みです。普通の一戸建て住宅に用いられることは少なく、ビルや大規模なマンションを建てるときの工法といえます。ちなみに、これらの工法に用いられる鉄は正確には「鋼」で、鉄を焼いて強度を高めた素材です。

 

 

複数の工法をミックス

いろいろな工法を説明しましたが、それらを組み合わせて家を建てる場合もあり、「混構造」と呼ばれます。たとえば1階を駐車場にして2階(または3階まで)を住居にしたいとき、強度が必要な1階を鉄筋コンクリート造にし、住居部分を木造軸組工法で作るような例があります。

 

 

「丸太小屋」も工法の仲間

普通の宅地の場合、あまり一般的ではありませんが、ログハウスでよくある「丸太組工法」も住宅の建築方法の一つです。一般住宅というよりは、リゾート地に建てる別荘や、カフェやショップなどの店舗に使われるケースが多いでしょう。

 

 

木より鉄筋や鉄骨が丈夫とは限らない

一般的な強度は木よりも鉄のほうが上ですが、こと住宅建築に関してはケースバイケース。鉄筋コンクリート造や鉄骨造は丁寧な工事がなされていないと劣化が早いので、業者との信頼関係が大きく影響します。

 

主な工法

種別 工法 メリット
鉄筋コンクリート造 鉄筋を組んで周りを型枠で覆い、コンクリートを流し込む。建物のデザインはある程度自由が利く 正しく工事されれば耐久性や耐震性、耐火性、防音性が高い
鉄骨造 柱や梁などの骨組みに鉄を使う。一戸建て住宅より、おもにビルやマンションを建てるときの工法 強度が高いほか、材質として木やコンクリートより劣化しにくい
混構造 ―つの建物を、木造や鉄骨造、鉄筋コンクリート造などいくつかの工法を組み合わせて建てる 各工法のメリットを合わせることで、多目的な住宅を建てられる
丸太組工法 丸太や角材を横向きで積み重ねる。いわゆるログハウスの工法。木が交わる箇所にボルトを使うことも リゾートを思わせる快適かつ独特な住み心地は、この工法ならでは

 


ハウスメーカーの注文住宅では、プラン相談が重要!!

 

メーカーでのプラン相談

 

分からないことは何でも質問するのが、ハウスメーカーでもプラン相談の大前提です。ハウスメーカーの営業マンにプランを相談するときのポイント、流れをを説明しましょう。

 

まずはじめは、施主として「どんな家に住みたいか」、家族の要望や希望をまとめることが大切です。具体的に間取りや外観デザイン、プランニングを考えるのではありません。家族ひとりひとりが家で何をしたいかをしっかりと考えましょう。営業マンに分かるように説明するのは意外に難しいものです。

 

 

最適なハウスメーカーを選択しよう

相談の以前の問題が、ハウスメーカーの選択です。どこのハウスメーカーも、どんな要望でも実現できるようなことをいっていますが、商品としてはひと通りそろえていても、実際にはあまり力を入れていない商品もあるようです。自分の要望や希望とハウスメーカーが得意とする構法や構造が一致しているか判断することが大切です。住宅展示場のモデルハウスへ行くと、営業マンはまず、お客様の要望は聞くものの、自社商品の売り込みを失笑懸命にします。モデルハウスの間取りや仕様の特徴、自社のメリットなどをていねいに説明してくれます。どのモデルハウスも立派で、しかも豪華でよくできています。誰でも豪華さに目を奪われ、自分の夢や要望、希望を忘れてしまいがちです。しかし、そんなことをしていては、夢の実現は困難です。基本に立ち戻り、「モデルハウスのプランが要望と一致するものなのか」を判断基準として、ハウスメーカーを選択しなければいけません。

 

どうしてもかなえたい要望や希望は、申し込みをしたあとのプランニングの打合せの段階で話すのではなく、最初の説明を受けたときに確認するよう心がけましょう。初期の段階が重要なのです。例えば、プレハブ住宅のハウスメーカーに本格的な和室を望んでも少し無理があります。畳敷きの部屋は可能でも、床柱がある真壁の和室は期待できないでしょう。あとから本来無理な要望を出しても、ハウスメーカーは「できない」とは言いませんが、その結果はイメージ通りとはならないでしょう。

 

 

積極的に質問し、疑問を残さないように!!

わからないことは遠慮なく何でも聞きましょう。恥ずかしがることはないのです。これは思い込みをなくすために必要なことです。営業マンのペースで話か進んでしまうと、途中で意見や要望をはさみにくくなりますが、誤解を生むのはそんな状況のときなのです。人間の記憶はとてもいいかげんなもので、自分に都合のいい解釈をしていたことを簡単に忘れてしまうものです。引渡し時のトラブルの原因は、大半がこのような思い込みによるものです。

 

必ず回答を確認しましょう!!

もう一つ重要なのが、要望の確認です。これは、ハウスメーカーに限ったことではないのですが、要望については、必ず、営業マンの理解と差がないか誤解がないか確認が必要です。必ず行いましょう。人によって、生活習慣は異なります。意外に、自分が常識だと思っていることが、人により違うものです。また、営業マンにまかせたつもりでも、実際にはハウスメーカーの社内ルールにより機械的に処理されることがあります。回答の際、必ず念を押すようにしましょう。

 

提案してくれない営業マン

ハウスメーカーの営業マンは、設計に関する提案をあまり積極的にしてくれません。これはマニュアルにのっとったものと言えるでしょう。あとで「提案してくれたプランがよくなかった」というクレームがくることを避けるためです。世の中には人にクレームをつけることを無上の喜びと感じる人もいるわけで、マニュアルをつくる以上、こうした人々のことも考慮しなくてはならないのです。プランニングを相談するには、まず自分でいろいろな情報を集め、自分で決められるようにする必要があります。


 
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