美しい街並みが挑戦テーマに!!

美しい街並みが求められる時代!!

住宅技術の水準ではわが国は世界トップレベルなのです。問題は街並み・景観の後進性にあり、これからは美しい街並み形成が差別化要因となっていきます。「単体としての日本の住宅レベルは、コスト面を含めて技術的には欧米諸国にヒケをとらない。問題は単体の集合体としての街並みにある」とは、海外視察をした業界団体トップの弁です。数年前、オランダのアムステルダム郊外で光ファイバーなどの先端技術を満載した未来住宅を見学した折のこと、さらなる未来住宅をテーマとした映画が上映されていました。温水がピューツと噴き出す洗浄トイレのシーンが映ると、地元の観客はゲラゲラ笑い出すという場而がありました。こうしたトイレは、日本では多機能トイレとして当たり前のものであり、この一例からも、住設機器を含めて日本の住宅技術開発力は決して”ウサギ小屋”のレベルにあるわけではないことが体験できました。

 

日本の住宅の課題とは、広さの確保であり、街並みの美しさの実現にあります。そこで、鰮住宅生産振興財団は、1979年の設立以来、全国各地で「住宅祭」を開催、良好な街並みづくりの分譲住宅事業を展開しています。開発コンセプトはさまざまですが、屋根形状、色彩計画から植栽計画に至るまで、変化と調和をテーマに統一的な団地づくりを進めています。また、83年にスタートした国土交通省のプロジェクト、HOPE計画は、地域で生産される瓦などの地場素材を活用、地場産業の振興を図りつつ、個性あふれる街並みづくりを目指すモデル事業となっています。

 

こうした試みは、『一粒の麦』的なささやかな存在であるようにも映りますが、海外渡航者が年間1600万人を超えるいま、日本の家並み・街並みの乱雑さ、海外のさまざまな都市の美しさを実感している人が増大していることなどを背景として、今後、住宅単体の集合体への融合は商品開発面、平面計画面でも差別化戦略のテーマに押し上げられるものと考えられます。国土交通省の『2003年住宅需要実態調査』の「住環境に対する評価」では、「まちの景観」に関する不満率が32.2%、「自然とのふれあい」が34.3%と3分の1を占めており、少なくとも、この不満率に相当するレベルの良好な街並みづくりに対するニーズはあるということになります。最近、住宅業界の勉強会などでは住宅単体の良質化に加えて、クモの巣のように張りめぐらされた電線の地中化を強力に進めるべきだとの議論も盛んになっています。風景は社会的な財産であり、街の美観についても考えようとする動きの一例です。個々の住宅の集積体が街であり都市であるのです。このことは個々の住宅の供給サイドが街の風景を左右することを意味します。ユーザー意識の高まりとともに、「街並み」を意識した供給システムも住宅業界にとっては挑戦テーマになる時代といえるでしょう。現に、以前にもこのサイトで紹介したように「景観法」が誕生しています。

 

 

 

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